マイアミに移住して11ヶ月が経ちました。
私は海外での就業や留学の経験があるので、生活面で不便はありませんが、今でも日々カルチャーショックを感じています。
まだ頭の中が日本人の感覚のままで、新しいことに挑戦するたびに文化の違いにイライラしてしまうことがあります。もちろん、アメリカの方が優れていると感じることもあります。
今日は「日本人の感覚からみたアメリカと日本の接客業の違い」について、私がカルチャーショックを受けたことをズバリ感じたままに紹介したいと思います。
目次
人種・国籍・性別・年齢・障害を理由に雇用を決定できないアメリカ
アメリカでは採用時に人種・国籍・性別・年齢などを理由に雇用を決定することができません。
履歴書にこれらの情報を記載することはないですし、モデルなどの特殊な職種以外は写真を貼り付けることもありません。
では、具体的に紹介していきます。
コスメブランドM·A·Cに男性店員
コスメブランドのM·A·Cでは、スキンヘッドでいかつい男性店員が女性客にメイクを施していました。
できれば女性の店員さんにメイクをお願いしたいと思ってしまう日本人は多いかと思いますが、アメリカ人は全く気にしていないようです。
日本ではテレビで男性のメークアップアーティストを見かけることはあっても、化粧品売り場で男性店員の姿を見ることはないですよね。
おばちゃんと呼びたくなるような航空会社の客室乗務員
アメリカの航空会社を利用すると、思わず振り返って確認してしまうほど高齢の客室乗務員を見かけることがありますよね。
アメリカでは定年がないことが原因だと思います。
私がもっと驚いてしまうのは、オーバーサイズで動きが鈍い、ほぼノーメーク、髪の毛ボサボサ、という意識が低そうな客室乗務員です。
空の上では安全第一なので、客室乗務員の年齢や容姿はそれほど重要ではないかもしれませんが、さすがにイメージと違いすぎて驚いてしまいます。
もちろん、女優さんのようにスタイルも顔も抜群で、女性の私も見とれてしまうような客室乗務員もいます。アメリカは個性が重要なのでしょうか。
聴覚障害者のウーバー運転手
配車サービスのUber(ウーバー)は、難聴や完全に聞こえない全聾(ぜんろう)などの聴覚障害者の運転手を採用しています。
先日、友人がUberの依頼をした際に、スマートフォンに写真のメッセージが届きました。
「運転手は聴覚障害者です。連絡が必要な際は電話ではなくメッセージでお願いします。」といった内容です。
はじめは驚きました。でも、よくよく考えてみると、ウーバーは利用者がアプリで目的地を指定し、あとは運転手がアプリの指示通りに運転するだけなので、聴覚障害者であっても問題はありません。
そもそも、マイアミではスペイン語しか話せない運転手は多いので、障害はなくても会話がゼロということもあります。
接客業でも英語が堪能とは限らない
日本人の感覚だと、英語が堪能でなければ接客ができないと思っている人は多いと思います。私もそう思っていましたが、実際には英語が堪能な人ばかりではありません。
夫のマイアミの歯科医師は英語がほとんど話せませんし、ロサンゼルスの医師もネイティブではありませんでした。
アメリカン航空のパイロットの英語のなまりがかなり強かったですし、客室乗務員も英語がネイティブとは限りません。
夫の大学には移民の教授が何人もいて、一番英語が堪能でない教授は、夫が心配してしまうほど言語で苦労している様子が伺えるようです。
日本人は英語力にコンプレックスを持っている人が多いと思います。でも実際には、私たちが想像するよりずっと多くの人がアメリカで生活をしていても英語が堪能ではないです。接客業であっても同じです。
お客様の目の前で食べ物を口にする
アメリカでは、営業時間中に従業員がお客様と一緒の空間で食事休憩をしている様子を頻繁に目にします。
個人営業のレストランだけでなく、大手チェーンでも同じです。
先日中華レストランに入店した際、食事をしていた女性が私たちの方にやってきて、口一杯に食べ物が入ったまま「いらっしゃいませ!お好きな席にどうぞ!」と言ってきたときは、思わず夫と顔を見合わせてしまいました。
仕事で地元のホテルを訪ねた際、思わず写真を撮ってしまいました。
フロントの女性が、朝食を食べながら接客や電話対応をこなしています!
こそこそ食べることもしなければ、電話中もマフィンをデスクに置くことすらしません。
アメリカではホテルのスタッフに限らず、ショップのレジ店員、試着室のスタッフ、メガネ屋の店員、アパートの管理人、デパートの店員、まだまだ他にもあるぐらい、割と頻繁に接客中に飲食をしている人を目撃します。
見ている私が周りの目が気になってドキドキしてしまいます。
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スタッフを全力で守る
以前アメリカで接客の仕事をしていた時、「あの日本人スタッフの態度が気に入らないからマネージャーと話がしたい」というクレームがありました。私もその場にいましたが、日本人は一人だけだったので私に対するクレームです。
通常、まずはスーパーバーザーが話をし、解決できない場合はアシスタントマネージャー、最終的にマネージャーが対応する決まりになっていました。大ボスは相当なことがない限り出てきません。
偶然オフィスにいたマネージャーが大声で怒鳴っているお客様のクレームを耳にし、すぐにお客様のところへ行き、このようなことを言ったのです。
「日本人とは私の部下の○○のことですよね。彼女は日本人ですよ!彼女が不機嫌になったり失礼な態度をとったりしたことなど一度もありません!」と謝罪を一切することなく言い切ったのです。
私を信用して守ってくれた嬉しさより、全く想像のできない対応に驚いて、開いた口が塞がらないとはまさにこのことです。びっくりでした。
正直なところ「とりあえず謝まればいいのに」と思ってしまいました。アメリカではスタッフを守るのも管理者の役割のようです。
日本人の友人も似たような経験をしています。
彼女は、アジア人が多く住む地域でコスメブランドの販売員として働いていました。
白人のお客様が接客中の友人にこのようなことを言ったそうです。
「この街はアジア人ばっかりね。どうしてこんなにアジア人が多いのかしら?」
アジア人に対するイヤミであることに全く気づいていない友人は、
「どうしてでしょう。本当にアジア人ばかりですよね!」と笑顔で返したそうです。
すると、白人の店長がお客様に対し「私のスタッフを差別するようなお客様はおかえりください!」と怒鳴りつけ、追い出したそうです。
日本ではお客様が神様という感覚で接客することが多いですよね。
お客様を完全否定し、スタッフを守ってくれる店長はかっこいいですね!
まとめ
日本とアメリカでは、特に接客業において求められる基準値が随分いますよね。
日本の基準が異常に高いことで、アメリカで仕事をする面ではやりやすいと感じています。当たり前のことをすれば褒められますし、多少の常識はずれの行動は、アメリカの常識の範囲内であることがよくあります。
日本人としての基準値を忘れず、アメリカの良さも真似れば世界中どこでも通用できる人間になれるような気がします。
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