アメリカでの就業は今回で3度目です。
はじめの2社は大手企業で日本語スタッフ枠で採用され、ビザ取得から渡航準備や研修まで全てがとてもスムーズでした。
今回はマイアミの中小企業に契約社員として就職をしました。拠点はアメリカの大都市にあり、政府から委託を受けているので、数百人規模の企業でもそれなりに期待できると思っていました。
2ヶ月というわずかな期間で感じたことがあるので、今日は採用面接から研修完了までに感じたアメリカ企業への就業について紹介したいと思います。
全てのアメリカの中小企業が同じとは思いません。それでも一つ言えることは、アメリカの中小企業で働くということは、自立心と行動力が必要だと感じました。よかったら参考にしてください。
目次
面接から研修開始まで2ヶ月もかかった
今回の求人は急募だったため、すぐにでも働いて欲しいと言われていました。
空港内での業務もあり、セキュリティーの関係で犯罪歴の確認や空港での研修などで通常より業務開始までに時間がかかります。それでも、研修が始まるまでに2ヶ月も待つことになるとは思っていませんでした。
ここまで遅くなった理由がアメリカらしいと思いました。
①重役だった面接官がヘッドハンティングで転職
面接官だった重役の女性が入社手続きなどを進めてくれていました。とても親切で丁寧なキャリアウーマンです。
はじめはマメだった連絡が急になくなり、ある日こちらからメールをすると、自動返信でエラーメッセージが届きました。
この後、別の管理者に数回メールをしてやっと連絡が取れました。(これがなかなか大変でした。)
これからしばらくして知ったことですが、重役の面接官はヘッドハンティングで転職したそうで、多くの業務を任されていた人を失ったことで、社内はパニック状態に陥っていたようです。
新入社員のことを気にしている余裕などなかったのでしょう。それでも、大したポジションでないといえ、完全放置はひどいというか寂しいというか...私から連絡していなかったら、半年ぐらい経って「ところであの日本人どうなってるんだっけ?」って話になっていたかもしれません。笑
②郵便物が届かない
本社から重要な書類が届くはずが、発送して1週間経過しても届きません。これがなくては手続きが進みません。
アメリカは郵便物の配達もゆっくりなのだろうと気にしていませんでしたが、さすがに10日を過ぎてから郵便局に問い合わせをし、行方不明になっていた書類が2週間を過ぎて届きました。
これは会社ではなく郵便局の問題ですが、アメリカでは外部のトラブルも想定内と考えておく方がいいかもしれないですね。
③長期休暇で連絡が取れない
長くなるので結論だけ言います。研修を始めるために必要な書類が2つあるのですが、それぞれの書類の承認者が2週間と3週間の長期休暇を取っていたため、手続きがストップしていました。
アメリカは子供の休みに合わせて長期休暇を取得する人が多くいるようです。欧米の多くの企業は10月から新年度になるので、7月は夏休みと有休消化ラッシュの時期と重なるので仕方がないのかもしれないですね。
日本でも長期有給取得ができる会社はありますが、自分の都合ではなく仕事の都合に合わせて休みを取るケースが多いように感じます。日本人はもっと家族の都合に合わせて積極的に有給をとってもいいような気がします。
④チームワークが苦手
アメリカでは、チームワークより個人プレーが得意だと思います。これは以前勤めていたアメリカの会社でも感じました。
退職した仲間の業務を誰かがカバーしなければいけない状況で、誰も引き受けたくない様子が私にも伝わってきました。自分の仕事を済ませて早く帰りたいと思っているのでしょう。
退職した重役の女性の業務が上手く引き継ぎができていません。私が感じたのは、「もともと自分の仕事ではなかったので責任はない」と仕事の押し付け合いです。
「ごめんなさい!忘れていました!」とか「引き継ぎが上手くいっていなくて迷惑をおかけしました!」と言えばいいのに、自分に非があるような言い方はしません。
「そんなことは聞いていなかった。」とか「この件は部下に任せていたけれど連絡するのを忘れていたようです。」と返事がきました。
たとえ部下が悪かったとしても、退職者が引き継ぎをしっかりしなかったとしても、私に迷惑がかかっていることは間違いないのですから代表して謝ればいいのに!と思ってしまいます。アメリカは、謝ったら負けという感覚がありますよね。
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時間にルーズ
研修の2日間は交通渋滞などを気にして早めに家を出たため、結局45分も早く出勤しました。絶対に遅刻はできないですよね!
私の研修を担当してくれたトレーナーは南米移民の男性です。トレーナーは初日5分遅刻、2日目は15分も遅刻しました。メールの返事もとにかく遅いです。
アメリカでは自由な時間に出勤できるフレックス制を取り入れている企業が多く、私が就職した会社も同じです。トレーナーは、普段は時間を気にせず出勤しているのに、研修で決められた時間に出勤するのが苦痛だったのでしょう。
この状況をポジティブに考えた場合、時間にルーズな環境はストレスがたまらないので今いる環境に感謝しなければいけません。日本では、毎朝遅刻をしないことばかり気にし過ぎて、朝から精神的に疲れていました。アメリカに来てから朝のストレスがなくなっただけで寿命が伸びた気がします。アメリカ最高!
相手を信じないぐらいが丁度いい
アメリカの特に中小企業の場合、研修が行き当たりばったりの場合もあります。もちろんトレーナーの能力によって研修の完成度は変わりますが、今回の研修は完全に準備不足の行き当たりばったりでした。
研修中は、トレーナーを信じて言われたことだけをするのではなく、不明なことや理解できないことは自分から積極的に聞いた方がいいと思います。アメリカの生活は基本的に何に関しても同じです。誰かに言われたことを信じるより、自分で納得したことを信じた方が確実に上手くいきます。
プライドが高いのか、適当なことを平気で言うアメリカ人同僚を見てきているので、相手を信じるより自分で確認して調べる方が確実です。
日本人はできる人でも自信がない人が多いので、少し見習った方がいいのかもしれないですね!
時間になると途中でも業務を終わらせる
研修中に急にトレーナーが急ぎ出したと思ったら、最後に無理やりまとめて急に研修が終わりました。あまりに急で内心で笑ってしまいました。
1分も残業することなく帰ろうとしましたが、分からないことは全部聞いておきたかったので、私の質問攻めで15分延長しました。
最後に時計を確認して、「今15分だから、30分残業したことにしましょう!」と言って私より先に帰っていきました。30分単位で手当がつくので、こういう所はしっかりしているんですね。
メールがシンプル
アメリカ人のメールはとてもシンプルだと思います。
以前、外資系企業の日本人重役の秘書をしていたことがあり、全てのメールに目を通していました。
日本人が英語でメールを送るとき、必要以上に丁寧だと思いませんか?丁寧すぎて前置きが長いというか、かしこまりすぎというか。無駄なことに時間を使いすぎていると思います。
欧州人も割と丁寧な人は多いと思いますが、北米人のメールは要件だけの場合が割と多いと感じます。社内のメールということもあるかもしれませんが、挨拶すらない場合もほとんどです。もちろん、送付先との関係や状況によって異なると思いますが、全般的にアメリカ人のメールはシンプルです。
スティーブ的視点の動画、少しオーバーなところもありますがアメリカと日本の違いがとてもよくわかる動画です。すごく面白い!
英語が完璧である必要はない
アメリカで就職すると、英語力に自信がなくて不安に感じることはあると思います。私もそうです。
特に移民が多いマイアミでは、誰も英語がネイティブでないことを気にしていないと思います。研修で会った人は中南米からの移民でした。英語は完璧でないのが当たり前です。とても仕事がしやすいです。
まとめ
新卒でこの会社に入社していたら、きっと困ることが多かったと思います。アメリカの中小企業で働くということは、自分で判断して行動するスキルが必要で、まさにサバイバルです!ある程度の社会人経験があったからこそ、英語がネイティブでなくても今のところ順調に仕事ができています。
さんざん悪口のようなことを言いましたが、総合的に判断して、この会社がかなり気に入っています。
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