日本では、障害者に対して「障害があるから無理だね。仕方が無いね。」と思っていないでしょうか?
アメリカではそのように考えていません。障害があっても快適な生活を送ることができるよう、政府が法律で障害者を保護しています。
アメリカにくると、日本のバリアフリーや障害者に対する考え方は遅れていると感じます。
街では障害者を頻繁に見かけます。障害者の割合が多いか少ないかではなく、障害者が普通に外出できる環境が整っているということですね!
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アメリカ障害者法ADAとは?
ADA(the Americans with Disabilities Actの略)は「アメリカ障害者法」のことで、アメリカで障害による差別を禁止する法律です。主に4つの項目に分かれています。
Title I 雇用
Title II 公共サービス
Title III 公共施設での対応
Title IV 電話通信
アメリカでは障害を理由とする差別を禁じ、それが「義務化」されているため、障害者の生活が守られています。
日本で2016年4月から障害者差別解消法が施行!
なんと、半年前の2016年4月1日から、「障害者差別解消法」がスタートしました!
詳細は内閣府ホームページ
つまり、今までとは違い、国・都道府県・市町村は、障害者に対し、障害のない人と同じサービスや便益を提供することが初めて「義務」として求められることになったのです。凄い進歩ですね!
フロリダで障害者を疑うと法律違反?
アメリカのディズニーリゾートでは、障害者に対し待ち時間をゼロでアトラクションやショーが楽しめる優遇措置があります。
それを悪用し、障害者を雇ってパークに同行させたり、障害者を装い車椅子を借りたりするゲストが後を絶たず、サービス内容が変更されてしまいました。
私がディズニーワールドのゲストリレーションズで働いていた時、お客様の障害者申告により、Guest Assistance Cardという障害者用パスを発行していました。
障害度に応じたサービスのスタンプを押し、障害者の証明書の提示なく簡単に取得できるパスです。
今では、待ち時間を別の場所で過ごすことで障害者への対応をしているそうです。この対応では、結局は待たなくてはいけないんですけどね。
質問:「Why doesn’t Disney Parks ask for proof of disability, such as a doctor’s note?」
ディズニーパークは医師の診断書などの障害者の証明を提示する必要がないのはなぜですか?
回答:「Disney Parks takes Guests at their word and there are legal restrictions around asking for proof.」
ディズニーパークはお客様の申告を信じています。また、障害者の証明を確認する法的規制があるからです。
ディズニーの社内研修で「法律で定められているため、障害者でない疑いがあるお客様がいても、障害者であると自己申告が合った場合、障害者として優遇すること」と教わりました。
(例えば、肥満により体が大きく、少し歩くだけで疲れるから車椅子に載っているだろうというお客様)
つまり、「本当に障害者ですか?」と聞くことが法的に許されていないのです。
ADA(アメリカ障害者法)のホームページにこのような記載を見つけました。
A public entity may not require proof of disability, including, for example, a doctor's note, before selling tickets for accessible seating.
公共団体は、障害者席のチケットを販売する際に、医師の診断書など障害者の証明書を必要としない。
障害者は見ただけでは判断できないことがあります。
ディズニーのゲストのようにサービスを悪用する人が増えると、障害者を疑う社会になってしまうかもしれません。外見では分からない障害者は、さらに辛い立場になります。
アメリカでは、障害者に対する対応が進んでいる一方、このようなモラルの問題も多いのかもしれません。
東京パラリンピックまであと4年です。今後東京を中心に日本のバリアフリー化が進みます。
バリアフリー先進国のアメリカから学ぶことは多いと思いますが、日本人としてモラルは守っていきたいですね。
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